社会

1984

1984年。元軍人らしく芯の通った中曽根康弘首相が「戦後政治の総決算」を掲げて改革の推進にあたっていた1984年。経済の安定成長期にあった日本は「Japan as No.1」と称賛され、日本型経営が世界のお手本とされた1984年。東西冷戦における東側の盟主ソビエト連邦の窮状が明らかになりつつあった1984年。ジョージ・オーウェルが『1984』で描いた、一党独裁大勢の全体主義国家によって分割統治された世界は幸いなことに実現しなかったと、多くの人が感じました。ある雑誌で小説『1984』のことを知った私自身も、その世界を自分が生きる社会とはかけ離れた非現実的な世界としてしか認識できませんでした。

ところが、それから35年以上経った今、特に新型コロナウィルス騒ぎが始まってから全体主義的な動きが加速しているように思われてなりません。

大統領選挙期間中、大手SNSが現役大統領の投稿を削除・非表示にするという言論封殺を行い、その後、アカウントを凍結する事態となりました。

新型コロナウイルス関連では情報源として頼りにしていた方々の投稿が次々に削除され、場合によってはアカウントが停止されました。武田邦彦先生、高橋徳先生、松田学先生、井上正康先生、大橋眞先生、及川幸久さん、小林よしのりさん、サムケンさん・・・(私自身も統計に基づいたイギリスのデータをシェアしただけで「第三者ファクトチェック委員会によって事実ではない可能性がある投稿と判断されました」という警告を受けました。)

これまでこれらの検閲はあくまで「私企業の行為」でしたが(それでもプラットフォーム企業の行為としては問題ですが)、なんと政権側が関与し始めました。

「コロナウィルスに関する誤情報を流している」としてFacebookを名指しで非難してきたバイデン政権ですが、サキ報道官が政府が情報をチェックしていると解釈できる発言をし大きな反発が起こっています。Facebook側は、2021年7月16日、誤情報を繰り返し流す個人やグループのアカウントを永久に凍結すると発表したようです:Fox News, "McEnany: 'My mouth dropped open' when Psaki said this.

誤情報とはワクチンの危険性に関するもので「ワクチンの危険性を訴える投稿によって接種をためらう人がおり、結果的に人命が損なわれている」というのが政権側の言い分です。

 

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