2019年10月26日・27日 日本催眠学会

2019年10月26日(土)と27日(日)、名古屋で日本催眠学会がありました。26日の特別講演で「前世療法での『死』はどれだけリアルか〜臨死体験と比較して〜」というタイトルでお話をさせていただきました。話の内容は、急速に進む高齢化に伴って迫り来る多死社会に対応するために、死生観の確立が急務であること(要するに「死んだらどうなるのか」について、死にちゃんと向き合えるための見解を持っていること)、そのための有効な方法として、退行催眠(前世療法)での擬似的な「死」の体験が考えられること、をお話しました。具体的には、深刻な社会的背景として、藤和彦さんの『日本発母性資本主義のすすめ』や、内閣府のデータ、「日本古来の死生観を取り戻せ」というカール・ベッカー先生の長年の訴え、柴田久美子さんの「看取り師」養成の試み、などを紹介したあと、私の個人的な前世療法での体験をきっかけにバージニア大学のブルース・グレイソンと行った「臨死体験と前世療法での『死』の体験の比較研究」の結果を紹介し、臨死体験と前世療法での「死」の体験が、体験そのものの性質という点でも、体験後の変化という点でも似ていること、つまり、後者が死の「予行演習」になりうる可能性について話しました。また、今後「死に対する態度尺度」などを用いて、体験前と体験後の変化を比較すれば、さらにしっかりした結論が得られるのではないか、ということをお話しました。

発表後、「臨死体験と前世療法での『死』の体験」の両方を体験していらっしゃる方に複数お会いし、とても貴重なご意見をいただきました。

学会自体も大いに楽しませていただきました。一人で三つの楽器を使いこなす鈴木禎久さんの驚愕の演奏に続き、鈴木さんが奏でるキーボードをBGMとした大会長の石原均先生の癒しの世界への誘い、珊瑚珠色さんの「がん患者の家族のための催眠療法」、大河内りこさんの「アニマルコミュニケーションと連携した悲嘆療法によるペットロスの癒し」、西本真司先生による「統合医療3日断食、糖質制限食、星状神経節ブロック、漢方、気功、低分子化フコイダンを中心とした癌著恒効例報告」、私の講演の後の紫紋かつ恵さん・西口裕さん/のり子さん・珊瑚珠色さんによる「臨床催眠の適応と限界」と題するセッション、などいずれも素晴らしい内容でした。

2日目は理事長、木村真人先生の記念講演「催眠の歴史と今日の臨床催眠における議論」で催眠について広い視点から勉強させていただきました。(他の予定があったため、他の発表を聴くことができなかったのが残念です。)

大会長の石原均先生、スタッフのみなさま、素晴らし時間を本当にありがとうございました!

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