発表ご案内の五人目は東海大学の須田斎先生による「対応原理を介した共時性のメカニズム解明」。ユング心理学を日本に普及させた河合隼雄先生の治療法が共時性現象をフルに活用したものである点に着目し、心の世界と物質の世界との対応関係をとらえる「対応原理」を通して、共時性のメカニズムに迫ろうとする意欲的な内容です。河合先生の「「治療者も患者も共に転移の現象のもとにさらされるのであり…治療者と患者との境界は判然としなくなり、治療者もはたして患者の分析をしているのか、自分の分析をしているのかさえわからなくなるといいたいほどの状態になる」という境地がどのように分析されるのか、とっても楽しみです。