『あま物語』(古文、現代語訳、英語訳)出版
『あま物語』は、貴族の男性と恋に落ちた海女が身分違いの関係に悩み海に身投げしたが、貴族の女性の娘として生まれ変わり、その男性と結ばれたという生まれ変わり物語です。物語の成立は室町時代のようですが、その原型は源氏物語より古いのではないかと推定されています。
大変興味深い内容でありながら、これまで日本語訳はありませんでしたので、日本文学の岡本聡先生、大学院生の樗木宏成さんと共同で、日本語訳と英語訳、それに原文も掲載した書籍を出版しました。この物語が収められた『奈良絵本』の挿絵を模写した13の絵もカラーで掲載しています。
過去生(前世)で残した妻と「再婚」した、という実在の生まれ変わり事例が報告されていますが、『あま物語』も実はそのような実例を下敷きにしたものかも知れません。