キャンパスは夢でいっぱい

大学のキャンパスは夢でいっぱいである。悦びにあふれている。しかし、そう感じられるかどうかはあくまで貴方次第である。

「おもしろき こともなき世を おもしろく、すみなすものは 心なりけり」

 

悦びについて

大学教員は幸せものである。夢がある。人間とは何か? 自然とは何か? ことばとは何か? 宗教とは何か? 大学人の頭はいつも疑問で一杯である。いつも答えを捜している。心ここにあらずの人が多い。せっかく貴方が意を決して挨拶したのに無視された。貴方が嫌いだからではない。考えごとをしていて貴方に気付かなかったのだ。

霧が晴れるように疑問の答えが見えて来る時がある。脈拍が上がる。檻に閉じ込められた動物のように弧を描き歩き回る。やがて答えの輪郭が鮮明になり、発見を確信する。何ものにも代えがたい興奮の瞬間である。この興奮を伝えたいと思う。貴方にも同じ興奮を味わって欲しいと思う。そう思いながら、教壇に立つのだ。

貴方の今の楽しみは何であろうか? 貴方は何に悦びを感じているのだろうか? 食べることに悦びを感じる、睡眠に悦びを感じる、排せつに悦びを感じる、セックスに悦びを感じる。

これらの悦びは生きていくために、あるいは種族を保存していくために必要な行為に伴った、生物であるが故の悦びである。

これらの悦びは受動的である。時が経てば自然に空腹になる。空腹を満たせば食欲は消え、食物を摂取してももはや悦びを感じることはできない。動物という肉体に縛られた悦びである。

しかし人間は知ることでも悦びを感じることができる。今まで知らなかったことを学ぶ、あるいは誰も知らなかったことを発見する、それだけで大きな悦びを感じることができる。

しかもこの悦びは能動的である。「何故!?」と疑問に思う気持ち、もっと知りたいと思う気持ち、この気持ちがありさえすれば、いつでも、そしていつまでも悦びを感じることができる。逆に「何故!?」という気持ちがなければ、この悦びはいつまで経ってもやってこない。

貴方次第なのだ。

 

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